はたはたの特徴
ハタハタはスズキ目ワニギス亜目ハタハタ科の日本海沿岸から北海道以南に生息する魚です。
ハタハタは体長20㎝ほどで体高が高く左右が扁平です。背びれは前後2つに分かれており、尾びれと胸びれは大きく、特に胸びれは非常に大きいのが特徴です。体表にはウロコがなく、背中は黄褐色でまだら模様があり、腹は銀色と金色に光っています。
はたはた 名前の由来
「ハタハタ」は古語では雷の擬声語で、現代の「バチバチ」にあたります。秋田県で雷の鳴る11月ごろに獲れるのでカミナリウオの別名でも呼ばれ、漢字では魚偏に「雷」で「鱩」と書きます。また、冬の日本海の荒波の中で獲りにいくことが多いから「波多波多」と書くこともある。ほか、漢字では魚偏に「神」で「鰰」とも書きます。
はたはた 漁獲量について
海面漁業生産統計調査(農林水産省)統計によると2018年都道府県別の漁獲高トップは兵庫県で次いで鳥取県、秋田県が3位、石川県が4位の順となっています。
はたはたの食し方
ハタハタは主に日本海側で食され、秋田県では県魚として指定されています。ハタハタを発酵させてつくる魚醬「しょっつる」は秋田県の伝統的な調味料で江戸時代初期から製造されています。ハタハタを原料魚に塩を加え1年以上かけて熟成させて作らています。 ハタハタは塩焼き、煮つけ、粕漬け、味噌漬け、干物、飯寿司、鍋ものなど利用範囲が広いことで知られいます。特に有名なのものは秋田のしょっつる鍋です。秋田や山形では新鮮なハタハタを茹でて醤油をつけて食べる「湯上げ」も有名です。
はたはたの主な調理法
ハタハタの塩焼き 鱗がないのでざっと洗い、鰓と消化器などをずぼ抜きする。塩をして1時間以上置いてじっくりと焼き上げる。魚の中でも比較的焼きやすいもの。塩をして少し表面を冷蔵庫で乾かすとより焼きやすくなる。身離れがよく呈味成分からくる甘さがある。
ハタハタのみそ焼き ざっと水洗いしてずぼ抜きする。白子、真子はていねいに腹に戻す。水分をよくきり、素焼きする。焼き上がりに合わせみそ(みそ、砂糖、煮きり酒を合わせてすったもの)をぬり香ばしく焼き上げる。ハタハタにはみそが合う。
ハタハタの幽庵焼き 鱗はないので、ざっと水洗いして鰓と消化器をずぼ抜き。真子や白子が出て来たら戻す。これを祐庵地(酒・みりん・しょうゆ同割り)に半日以上漬け込んで焼く。保存性が高いのでお弁当にも使える。
ハタハタの煮つけ 水洗いして、湯通しする。冷水に落とし表面のぬめりを流し、水分をよくきる。これを酒・しょうゆ・砂糖・水で甘辛く煮つける。甘味を加えずあっさり煮てもいい。白身ながら甘みがあり、身離れがよくてうまい。いいだしが出て煮汁も美味しいので骨湯などにもなる。
ハタハタのフライ 産卵期以外の真子・白子を抱かない固体が使いやすい。小骨が少なく鱗がないので水洗いして開き、腹骨、血合い骨をとる。塩コショウして小麦粉をまぶし、衣(小麦粉・水・卵)をからめ、パン粉をつけて高温でさくっと揚げる。嫌みのない味わいで身が柔らかく、サンドイッチなどに使ってもいい。